赤を選んだあなたは・・・
赤は、情熱のシンボル。同時に破壊のシンボルでもあります。心理的には、積極性、情熱、愛情、革新性などを望む傾向があります。が、反面、攻撃、自己破壊、暴力など過激さを求める面も持つ色です。また、原色の代表である赤には、それを身に纏うことによって、他に対して自信、権威性、威厳を示そうとする面を持つと同時に、深層心理では、色の力によって、自己の心の弱さを補償する(=防衛する)という面を持つ色であることが報告されています。衣服の色として選択した場合には、男性、女性によってその様相はかなり異なります。
女性については、原色の赤の衣服は決して珍しい色ではありません。日本市場を見た場合には、流行の浮沈もありますが、コートなどて、黒や紺、茶、グレー、ベージュなどに次ぐ色として登場してくるのは日常茶飯です。年によっては、紺、黒に次ぐウエイトを占めることもあります。
このように、女性にとっての赤は、自分の自信をしっかりと表現してくれる色として位置づけられていると言っていいでしょう。
一方、男性の衣服の場合は、世界的に見ても日常茶飯の色ではありません。社会性の強い男性社会では、赤は異端の色であり、また、非日常の色でもあるのです。そのため、この色を良く好んで着る男性は、自己の異端性をかなり強く意識していると考えていいでしょう。その異端性が社会的に認められているほどに自信に溢れた人物か、逆に社会からの離脱感を攻撃的に深層表現しているのかは、おおよそその人となりを知ることで理解できると思います。つまり、良い意味、悪い意味の両面において、男性にとっての赤は異端性の表現が深層に反映されています。
日本における赤の意味は、太古の昔には、生命、炎の象徴として扱われるとともに、白の神聖に対して卑俗のシンボルでもありました。また、一方では赤に非常に近い色であるエンジは、エンジカイガラムシから微量に抽出されるコチニールによって染色されるところから、得難い色でもあり、皇帝などの権威を示す色として壮麗な建物などに用いられた歴史も持っています。
こうした、赤のシンボル性は、赤い物の意味となり、深層に沈んでいきます。
赤を好むあなたは、赤の持つ自信、壮麗さ、きっぱりとした表情に憧れを抱いているのでしょう。一方では、その自信があなたの気づかないところで、他の人への攻撃的な心へと転化してしまう可能性を持つことがある点も指摘しておきたいと思います。
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